■ 夏の日 

 

 冷感を求めマットの上を移動する。猫のように大人しい豹に似たクラウドに、ザックスはニンマリと笑った。
「夏の間は俺の天下だな」
 ホレホレ暑いだろ~、と、クラウドに鼻先に手の平をヒラヒラさせて煽るザックスを、クラウドは恨めしそうに見上げて睨む。
「……秋になったら覚えてろよ…」
「……」
 一抹の不安を覚えたザックスは一瞬黙り込む。根に持つクラウドのこと、きっとその言葉は本気なのだろう。
 だが今は…
「なぁ、クラウド。アイス食べる?」
「………たべる」
 滅多に見れない牙の抜けた豹の素直さにザックスは微笑む。
 夏の暑さはこれからが本番。クラウドには申し訳ないが、猛暑と残暑に大きな楽しみが出来たザックスだった。









inserted by FC2 system